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いかに効率よくできるかを、毎日ひたすら考える

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埼玉エボーシュ製造課で試作・量産工程開発および工具設計開発に携わるSさんは、大学の工学部機械工学科を卒業した、入社12年目。現在はムーブメント加工機へ自動で部品を供給する装置を導入し作業効率化を行うとともに、係長としての職務を担っています。そんな彼に、仕事に対する想いを聞きました。

1年目

入社。狭山工場へ配属

2年目

薄型機械式ムーブメントに搭載される部品の工程改善を実施

4年目

機械式ムーブメントに新機能を搭載するための加工工程の立ち上げを行う

5年目

ムーブメント加工機の老朽更新に伴い、新しい加工機での加工条件の実験および立ち上げを行う

7年目

高付加価値製品(高精度の時計)に搭載される部品の加工工程の立ち上げを行う

8年目

ムーブメント装飾加工の工程を中国工場から国内へ移管し、立ち上げを行う

11年目〜現在

ムーブメント加工機へ自動で部品を供給する装置を導入して作業効率化を実施、現在は係長として職務を遂行する

入社以来、さまざまな挑戦を続けてきたSさんのキャリアは、まさに努力と進化の連続でした。ムーブメント加工技術の革新や、海外からの工程移管といった大規模なプロジェクトを成功させ、現在では効率化の先頭に立つ係長として活躍する姿は、企業におけるエンジニアの理想像を体現しているといえるでしょう。

Q :

現在の業務は?

A :

ムーブメント部品の生産技術開発

時計の心臓部であるムーブメントに使われる部品を、どうしたら効率良く生産できるか検討する仕事です。新製品をつくるときには、新しい加工方法を模索したり、加工するときに使う治具の設計もしています。

Q :

志望理由は?

A :

優しく穏やかな先輩社員の姿を見て

学校説明会に来てくれた先輩社員さんや人事担当の方が、優しく穏やかだったのが印象的でした。ほかの会社と比べても、いい意味で張り詰めた感じがなくフランクで。入社後も、その印象は変わりませんでしたね。

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愛用する小型ルーペ「キズミ」を手にしながら、細かな部品の確認作業について語ってくれました。

Q :

職場の雰囲気は?

A :

年齢関係なく、遠慮せずに話せる関係性

若手の頃は、ベテランの先輩方に丁寧に仕事を教えてもらいました。部署内の世代交代が進んで、今は20代後半がメイン。元気な若手が多く、より良くするにはどうしたらいいか、みんなでワイワイ議論しています。

Q :

働く上で意識していることは?

A :

必ず「現場」を見ながら考える

製造現場でよくいわれる、現場・現物・現実を大切にする「三現主義」は、入社以来ずっと先輩から教え込まれていたので常に意識していて。大体5:5くらいの割合で、パソコンと現場を行ったり来たりしています。

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現場で機械の微調整を行う様子。常に「三現主義」を意識し、製造現場の状況を把握しながら作業に取り組む姿が印象的です。

8:10 出社、朝礼、メールチェック

届いたメールに目を通します。朝礼では、自部門への展開事項を発表します

9:00 現場対応、データ分析・資料作成

不具合の対応依頼があれば、対応を行います。依頼がないときはデータ分析や資料を作成します

10:10 午前の10分休憩

午前の休憩です。集中力を切らさないために、工場には休憩時間があります

10:20 会議

テーマ別の会議や問題対策の検討会議に参加し、他部署と共に対策を検討します

12:00 ランチ

会社内にある食堂で昼食をとります

13:00 治具設計、NCプログラム作成

安定して時間が取れる午後に治具の設計や、NCプログラムの作成を行います

15:00 午後の10分休憩

午後の休憩です

15:10 会議

午後の会議はQC活動や、定例会議が多いです

17:00 メールチェック、スケジュール確認

1日の終わりに再度メールを確認し、翌日以降のやるべき事を整理します

17:10 勤務終了

整理が終わったら今日の仕事は終了です。お疲れさまでした

現場対応からデータ分析、治具設計に至るまで、多岐にわたる業務を効率よくこなすSさんの姿勢には、プロフェッショナリズムと責任感の強さを感じます。

30人体制でやっていた手作業の機械化に成功

Q :

これまで働いてきて、一番大変だったことは?

A :

工作機械の立ち上げ

入社2年目のときに担当した「NC加工機」という工作機械の立ち上げですね。今までとは違う機種を導入したので、安定した量産まで持っていくのにものすごく苦労しました…。加工する箇所も多くて、検査するのに1パーツ20分ほど。それを1000〜2000個くらい、ただひたすら見ていくんです。1日8時間、測定し続けるなんて日も。同じ寸法の箇所は特に厄介で、どっちを測っていたか分からなくなるほどでしたよ(笑)。

Q :

これまで働いてきて、一番嬉しかったことは?

A :

機械化の実現

ムーブメントの土台部分「地板(じいた)」のバリ取りを機械化できたときはすごく嬉しかったです。それまでは手作業だったのですが、省人化させたいという要望があり挑戦することに。2年もの間、他部署や他工場のスペシャリストたちと連携して、トライ&エラーを繰り返しながら、やっとの思いで完成させることができました。20〜30人体制だったところが、今や6台を1人が見れば大丈夫。24時間稼働させることも可能です。

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自動化された工作機械のオペレーションを確認するSさん。長年の努力が実を結び、ムーブメントの製造工程における機械化を実現させました。

Q :

大切にしている仕事道具を教えてください

A :

小型ルーペ「キズミ」

時計用の小型ルーペ「キズミ」は、その名の通り細かな傷や、汚れの有無などを見るときに使うもの。仕事中は常に胸ポケットに入れている必需品で、今使っているものは2代目です。時計のパーツは30mm以下と小さいものがほとんどで、治具も細かな形状のものが多く、どこに問題があるのか見えにくい…。そんなときに重宝するのがキズミです。 たとえば治具にパーツをはめるとき。位置を決めるためのピンの根元に金属粉が詰まっていることがあるのですが、肉眼では見えない部分なので、キズミでしっかり確認して汚れを取り除きます。 双眼顕微鏡もありますが、持ち運びはできないので、じっくり見るときには顕微鏡。現場でサッと確認する必要があるときはキズミと使い分けています。 軽くて丈夫ですし、キズミとピンセットは他部署の方でも持ち歩いている人が多く、時計づくりには欠かせないアイテムなんですよ。

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時計の製造現場で欠かせない、愛用の小型ルーペ「キズミ」。細部の確認や品質管理に欠かせない重要なツールです。

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治工具設計開発

治工具設計開発は、腕時計の精密な製造に必要な治具や工具を設計・開発し、加工精度の向上や製造プロセスの効率化を図る重要な仕事です。

Key Responsibilities:

  • 腕時計の部品加工に必要な治具・工具の設計
  • 要求加工精度を実現するカッターやドリルの開発
  • 工具の耐久性や効率性の向上を図る設計
  • 製造プロセスの最適化と作業効率の改善
  • 製品の安定した製造を支援する治工具開発

治工具設計開発

開発

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