文字板製造課で製造オペレーションに携わるFさんは、高校の総合学科を卒業した、入社13年目。現在は文字板製造に関わる自動化の難しい細やかな業務を行いながら、リーダーとして課員のサポートを行う彼女に、仕事に対する想いを聞きました。
1年目
入社。河口湖工場へ配属。文字板製造課にて文字板のプレス工程実習を行ったのちに、文字板製造課へ本配属。文字板の組立ておよびパーツを取り付けるプロセスに従事
5年目
担当領域拡大のため、文字板の印刷技術を習得
10年目〜現在
文字板製造に関わるリーダーを担当
入社1年目から文字板製造課での実習を通じて基礎を固め、5年目には印刷技術を習得するなど担当領域を広げたFさん。現在はリーダーとして文字板製造に携わり、細かな作業と品質管理を徹底しながら、チームを率いています。培われた技術と経験が、リーダーとしての信頼につながっています。
Q :
現在の業務は?
A :
時計の顔である文字板の製造
文字板に色を付けたりロゴや装飾をつけたりする工程を担当しています。「植字」と呼ばれる時計の針が示す小さな印や文字を入れ、部品を固定。また、これらの工程の進行確認や、作業員のシフトを組むこともあります。
Q :
志望理由は?
A :
細かい作業が好きだったので
就職活動中に工場見学に行った際、案内の方が優しくしてくださったことが印象に残っています。当初は事務の仕事をイメージしていましたが、手を動かすことも好きなので、時計製造をやってみようと就職を決めました。

時計の顔ともいえる文字板の製造を担当するFさん。高品質な製品を生み出すため、責任感と情熱をもって取り組んでいます。
Q :
職場の雰囲気は?
A :
和気あいあいとしつつも、責任感の強い職場
ムードメーカーの係長をはじめ、個性豊かな同僚たちに囲まれています。楽しい雰囲気のなかでも、作業に対してのプロ意識は高く、品質問題が起きたときには作業員同士で原因を話し合って、再発防止に努めています。
Q :
働く上で意識していることは?
A :
店頭に並んでいる完成品を想像すること
実際に店舗に行き、完成品の文字板を眺めるようにしています。「この仕様は苦労したな」とか「あの文字板のつくりが最後はこうなるのか!」と全体を見通したり。毎回、新しい仕様を生産できるところもやりがいのひとつです。

完成品の時計をイメージしながら、細部にわたる精密な作業を集中して行い、責任感を持って品質の維持と向上に努めています。
8:00 出社、メールチェック
届いたメールに目を通し、出荷にかかわる内容がないか確認します
8:30 進捗確認、資料作成
前日の生産状況と、生産・品質などの集計をします
10:00 生産工程
カシメ作業をメインに負荷の大きい工程の作業を行います
12:00 ランチ
休憩所で同僚と昼食をとります
13:00 生産工程
午前同様、カシメ作業をメインに負荷の大きい工程の作業を行います
15:00 進捗確認、指示
生産状況の確認と、係員へ仕掛品の指示を出します。最終工程で出荷に関わるため進捗管理が大切です
16:00 作業指導
作業に慣れない方への指導・補助をします
17:00 勤務終了
今日の仕事は終了です。お疲れさまでした
メールチェックから始まり、生産状況や品質の集計を行いながら、カシメ作業など負荷の大きい工程を中心に1日の業務を進めています。また進捗確認や指示を的確に行い、作業に慣れない方への指導も欠かしません。彼女の責任感と丁寧な仕事ぶりが、チーム全体の安定した生産と高い品質管理につながっています。
担当外の工程も、しっかりと理解する
Q :
どうやって技術を習得した?
A :
何度もくり返しやって覚える
文字板製造は特殊な作業なので、入社時に3ヶ月実習をしました。最初は文字板を型で抜く「プレス」という作業を。「QC検定」という品質管理に対する考え方も合わせて学びます。その後は先輩方の作業を見ながら、実際に手を動かしていきました。作業は感覚的なところもあるので、くり返しやって覚えていきます。ベテラン社員の作業を吸収しようとすることで、出来る作業も増えました。
Q :
これまで経験した学びは?
A :
視野を広く持つことが大切
コミュニケーション面での学びが大きいですね。新製品を生産するときに、加工検討会という文字板に関わるセクション間の会議があるのですが、プレスを担当する部署や関連部品をつくる部署の方々が参加します。そこで、なるべく他の部署の方の意見を聞くようにしています。プレスならではの工夫や苦労、カシメの強度について部品製造の観点で意見をもらうことで、前後の工程作業の理解にもつながって、日々の品質判断にも役立っています。

ベテラン社員の技術を吸収しながら、細やかな作業を一つひとつ丁寧にこなしています。
Q :
仕事中の息抜きは?
A :
休憩所でのおやつタイム
クリーンルームを出たところに休憩スペースがあって、そこでおやつを食べいます。ときどき同僚とお菓子を交換することも。今流行っているお菓子は、チョコレートコーティングされたクッキーです。
Q :
大切にしている仕事道具を教えてください
A :
ピンセット
私の所属する文字板製造課は細かな作業のため自動化が難しく、手作業が多く残っています。 植字は、小さいもので600μm(マイクロメートル)ほど。製品に傷をつけないようにしながら、植字1本1本を小さな穴に入れていくので、ピンセットの使いやすさがとても重要になります。 また、文字板に植字を固定するための足は300μmほどしかありません。この足を持ってひっくり返すのが、慣れないうちは大変でした。すべて目視で作業しているんですよ。 私は先端が細く柄が長いピンセットを使用しているため、誤って落としてしまった際は先端が曲がっていないかヒヤッとします。丁寧に手入れをして、日々の作業に使用している大事な仕事道具のひとつです。

愛用しているピンセット。1本1本の植字を確実に仕上げるその手先には、長年の技術と経験が感じられます。

加飾(印刷・蓄光)
加飾(印刷・塗装・蓄光)は、腕時計の文字板や針にデザインと機能を付加する仕事で、デザイン性と視認性を高め、時計の美しさと使いやすさを実現します。
Key Responsibilities:
- 文字板への目盛りやロゴなどの印刷
- 文字板や針のデザイン性を高める加飾加工
- 文字板や針の視認性を向上させる蓄光加工
- 日にちや曜日を表示する部品への印刷
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