イノベーションセンターで装置設計開発および設備保全に携わるTさんは、大学の工学部電気電子工学科を卒業した、入社9年目。現在は妙高工場に導入されたムーブメント新規設備の立ち上げと稼働率改善等の実施および、リーダーとして課員のサポートを行う彼に、仕事に対する想いを聞きました。
1年目
入社。各工場での現場実習を実施
2年目
佐久工場にてムーブメントの生産設備の改良に携わり、必要な基礎知識を身に付ける
3年目
ムーブメント・コイル生産設備の装置移管を実施し、ムーブメント生産ラインで主担当を務める
4年目
ムーブメント新規生産ラインの立ち上げを実施。調整・試流し・量産を担当し生産に必要な基礎を学ぶ
5年目
中国国内の組立ライン装置移管、立ち上げ及び生産性改善の主担当を務める
6年目
ロボットを利用した実験を行う。また、腕時計製造の専用工具である冶具や、汎用供給機の開発を行う
8年目
妙高工場に導入されたムーブメント新規設備の立ち上げ、設計・調整・試流し・量産・稼働率改善等を実施
9年目〜現在
リーダーへ昇格し、課員のサポートを行う
入社後から各工場で現場実習を重ね、ムーブメント生産ラインの立ち上げや設備の改良、さらには中国工場での生産性改善など、さまざまな経験を積んできたTさん。現在はリーダーとして、課員のサポートを行いながら、自らも技術向上に努めており、その成長力と責任感が印象的です。
Q :
現在の業務は?
A :
試作品の加工や治具の設計、技術導入など
より効率よく時計をつくるために、工場に導入するロボットの選定をしたり、実際に作業するスタッフへの技術講習を行っています。パーツを運び、加工する装置の実験や調整、治具の設計なども担当しています。
Q :
今の仕事を担当するまでは?
A :
日本中の工場で実習を経験しました
入社してすぐの新人研修で、各地の工場を1ヶ月くらいずつ回りました。最初に行った河口湖工場では文字板のパーツを並べる仕事を。埼玉の田無工場では加工を経験。その後飯田殿岡工場で組み立てを見て、所沢本社に配属が決まりました。
Q :
志望理由は?
A :
時計は「組み立て方」がイメージしやすかったため
小さい頃からプラモデルや電気で動くおもちゃが好きで、理工系の大学に通っていました。半導体や集積回路などの、目に見えにくいものや壮大すぎるものよりも、どのように組み立てるのかイメージがしやすい時計に興味を持ち、入社を決めました。

装置の設計や治具の開発に加え、各工場で得た経験を活かしながら、現場の技術向上に貢献しています。
Q :
もともと時計は好きだった?
A :
大学時代に時計のかっこよさに気付きました
大学時代、高級時計の展示会に行ったことがありました。当時は見るだけでしたが、小さな歯車が組み合わさって動いているのがかっこいいな…と。入社したらより一層すごさがわかり、時計を考えた人は天才だなと感じました。
Q :
休日の過ごし方は?
A :
手の込んだ料理をつくる
普段から自炊をしていますが、休日は特に凝ったものをつくっています。スパイスカレーやタコスといった海外の料理や、煮込み系の料理など。仕事でも手を動かしているので、料理もその延長という感覚です。

装置の調整をする姿。大学時代に時計のかっこよさに気付いて以来、さらにその魅力を追求し続けています。
8:30 出社、メールチェック
届いたメールの確認と返信を行い、ToDoリストから今日進めるべき業務の確認を行います
10:00 課員の業務状況確認
課員の進捗確認を実施し、一人ひとりとなるべく話すように心掛けています
12:15 ランチ
待望のお昼ご飯です。今日は黒毛和牛のメンチカツ定食でした!
13:00 設計業務
簡易的な冶具の設計、現場へ説明するためのレイアウト図作成などを行います
16:30 資料作成
打ち合わせに必要な資料作成します。図などを用いて、理解しやすい資料作りを心掛けています
17:30 勤務終了
勤務終了です。これから仲の良い同僚とプールに行って泳いできます!
メールチェックやToDoリストの確認から始まり、課員との進捗確認、設計業務、資料作成まで、幅広く対応しています。特に、課員一人ひとりとコミュニケーションを取り、サポートを欠かさない姿勢が印象的です。忙しい中でも、しっかりと業務を進めオンオフの切り替えを大切にしています。
1対1のコミュニケーションで、気持ちを確認する
Q :
やりがいを感じる瞬間は?
A :
現場の人によろこんでもらえたとき
導入した治具や装置が、現場の方々によろこんでもらえたときですね。以前、新しい装置の道具置き場がなくて困っているという声が上がって。六角レンチなどをワンタッチで置ける、鉄製の器具をつくったことがありました。上司からよくいわれる「重力はタダだから」という言葉と、100円ショップのアイテムからヒントをもらい、入れ口を斜めにして、道具を置くと自然と傾くようにしたんです。ひらめいた時は嬉しかったですね。
Q :
これまで働いてきて、一番大変だったことは?
A :
中国工場での装置移管業務
技術面も大変ながら、やっぱりコミュニケーションに苦労しました。通訳さんを介すと、どうしてもワンテンポ遅れてしまうし、専門的な技術の話は訳すのが難しい。そのため、なるべく現物を見せながら説明したり、翻訳アプリを使いながら「今日は調子どう?」など、1対1で話すようにしていたら、だんだんと活発に意見を交わせるようになりました。最終的には現地の人たちと飲みに行くまでの仲になりましたよ。

中国工場での装置移管業務を担当した際には、現場との1対1のコミュニケーションを大切にしていたTさん。最終的には飲みに行くまでの仲に。
Q :
大切にしている仕事道具を教えてください
A :
オリジナルでカスタムした小型ルーペ「キズミ」
装置の調整中、たとえば「部品を置いたときの受け皿の隙間が均等になっているか」などを、この「キズミ」で確認します。市販されているものよりもレンズを小さくして、細かい範囲でじっくり確認できるようにしてあります。持ち手はザラザラとした「ローレット加工」を施して、滑りにくくしました。柄が少し長めなので持ちやすく、装置に近づくときの危険性も若干ではありますが軽減できます。また、レンズが取り替えられるようになっているので、倍率を変えることも可能です。 このキズミは、以前ミヨタ佐久工場で新しいラインの立ち上げを担当していたときに「こういうのあったらいいよね」と何人かでカスタムオーダーしてつくったものです。お気に入りで、ずっと使っています。

自らカスタムした小型ルーペ『キズミ』を活用し、装置の細部にまでこだわりを持ちながら、効率的で精度の高い作業に取り組んでいます。

装置設計開発
装置設計開発は、腕時計を製造する機械や装置を導入し、量産工程に合わせて設計・開発する仕事です。新しいテクノロジーを導入することで製造効率に大きな影響を与える重要な役割を担います。
Key Responsibilities:
- 腕時計部品を製造する機械や装置の新規導入
- 量産工程に導入するための設計・開発
- ムーブメントを組み立てる装置の設計・開発
- 部品の搬送や正確に配置する機械の開発
- 高い製造効率と品質を確保するための装置設計
- 製品の信頼性向上を目的とした装置の改善
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